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生活保護関連法案

進むか、子供の貧困対策 なお課題

=iStock

 政府が9日閣議決定した生活保護法や生活困窮者自立支援法などの改正案は、子供の学習支援の強化策などを盛り込んだ。子供の貧困対策は一歩前進するが、なお課題はある。【西田真季子、熊谷豪】

    中学生、生活も支援

     主に中学生を対象にした学習支援について改正案は、勉強だけでなく生活全般を支援するよう改める。

     厚生労働省が公表している学習支援の実施団体(昨年7月時点)には、NPO法人や社会福祉協議会に交じって学習塾や学習関連の株式会社が名を連ねていた。自治体によっては、学力向上重視の「無料の学習塾」になっているケースもある。

     だが、支援団体からは「勉強だけでなく生活環境から変えなければ成果は上がりにくい」と指摘されている。家に勉強机さえないなど学習できる環境にない子供もいるからだ。

     このため、改正案は「学習・生活支援」と明記。生活支援とセットで実施するよう明確にした。保護者への生活相談の対応や食事など生活習慣の改善指導などが想定され、生活面を含めた子供への支援が広がることが期待される。

     全国の学習支援団体61団体が加盟するネットワーク「全国子どもの貧困・教育支援団体協議会」の青砥(あおと)恭(やすし)代表幹事は「地域全体で貧困世帯を支援するような幅広い活動ができるようになる」と歓迎する。

     それでも、支援事業の予算について厚労省は食事提供のための「食材費」に使うのは認めない方針だ。貧困世帯の子供に食事を提供する「こども食堂」の取り組みが全国的に広がっているが、ある厚労省幹部は「善意に基づき食事を提供するのはいいが、食材まで賄うのは税金を使った『支援』の範囲を超える」と話す。

     青砥代表幹事は「貧困世帯の子供は栄養不足に陥りやすい。善意に頼るだけでは事業の広がりに限界があり、支援事業として不十分だ」と指摘する。

    大学進学、なお課題

     生活保護世帯の子供の大学進学も支援するが、一方で都市部を中心に7割近い世帯の生活費を減額するなど政府の対応にはちぐはぐさがぬぐえない。

     大学などへの「進学準備給付金」の支給が実現しそうだが、さいたま市の50代男性は複雑な表情を見せる。生活費が削られる可能性があるからだ。

     男性は病気で働けず生活保護を受給している。夫婦と娘の3人暮らしで、妻のパート収入と生活保護費を合わせ月20万円程度で暮らす。日々の生活は切り詰めている。それでも男性には医師からの食事指導があり、食費を絞るのにも限界がある。

     教師を目指す高校1年の娘には大学に進学してもらいたい。自宅から通う学生への準備金は10万円。国立大学の入学金約30万円は受給世帯も免除されない。教科書なども必要だ。

     望みは、娘が進学する2020年4月から政府が実施する高等教育無償化だ。低所得世帯の子供は入学金が免除され、給付型奨学金も支給される。だが、無償化の恩恵を受けるには成績だけでなく制度の対象となる大学に入学しなければならない。政府は今夏をメドに対象となる学校の基準を示す方針だが、娘が進学できる大学が含まれるかどうか、不安は尽きない。「塾にも通わせてあげたいが、とてもそんなお金はない」

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