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米国務長官

中東5カ国訪問へ シリア情勢への対応協議

 【ワシントン会川晴之】米国務省は8日、ティラーソン国務長官が11~16日にヨルダン、トルコなど中東5カ国を訪問すると発表した。アサド政権によるとみられる化学兵器使用が相次ぐなどシリアでの戦闘が激化し、国連が救難物資搬入のため「1カ月間の停戦」を呼びかける中、各国首脳とシリア情勢への対応を協議する。

     シリアでは、北西部イドリブ県や首都ダマスカス近郊などで、アサド政権側と反政府軍による激しい戦闘が続く。米国務省は8日、政権側の「化学兵器使用と攻撃強化により、過去48時間で数十人の死者が出た」(ナウアート報道官)と非難、シリア市民が政府軍だけでなく、アサド政権を支援するロシア軍の脅威にもさらされていると批判した。

     在英の「シリア人権観測所」によると、政府軍による空爆強化により、ダマスカス近郊で反体制派が支配する東グータ地区の犠牲者は過去4日間で210人に上る。国連は700人の地区住民が孤立し、緊急医療支援などが必要と停戦を呼びかけている。

     また政府軍は北東部のデリゾール県で7日、米軍などの支援を受けるクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)の拠点を砲撃した。米メディアによると、これに対するSDFの反撃で政府軍100人以上が死亡した。マティス米国防長官は8日、記者団に「(政府軍が)なぜ攻撃をしてきたのか説明がつかない」と当惑を隠さなかった。

     またトルコが1月20日にシリア北西部アフリンへの越境攻撃を始めたことも事態を複雑化させている。この町は、トルコが国内の非合法組織・クルド労働者党(PKK)と連携する「テロ組織」、クルド人民兵組織「人民防衛隊」(YPG)が支配している。

     YPGの軍事部門は米国主導の有志国連合と連携するSDF。昨年10月に、過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点のシリア北部ラッカ解放の主力を務めた。トルコは勢力拡大を強く警戒、国境地帯からの排除を目的にシリアに侵攻している。トランプ米政権はトルコに自制を求めているが、トルコがそれに応じない状況が続いている。

     一方、「シリア・イラクでのIS支配下地域98%を奪還した」とする米国は1月、これまでの方針を転換して約2000人の米兵駐留継続を打ち出した。ティラーソン氏は「ISを完全に打ち負かす」ことを理由に挙げたが、アサド政権やロシアは「国際法違反」と非難している。

     ◆シリア情勢を巡る最近の動き◆

    【2017年】

    10月17日 ISの「首都」ラッカ陥落。有志国連合が支援するSDFが主力部隊

    【2018年】

    1月17日 ティラーソン米国務長官、米兵2000人のシリア駐留継続を表明

    1月20日 トルコがシリアに越境。SDFの母体であるYPG掃討を名目

    2月2日 マティス米国防長官がシリア政府軍に「サリン使用の疑いがある」と指摘

      6日 米国務省、シリア政府軍が「1カ月間に6回目の化学兵器使用」と非難

      7日 シリア政府軍がSDFを砲撃。反撃を受け政府軍100人以上が死亡

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