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石牟礼さん死去

水俣病の受難に感応 渚に佇む「悶え神」

石牟礼道子さん=熊本市内の自宅で2012年6月12日、澤本麻里子撮影

評伝

 1畳にも満たない窓際の板張りが書斎だった。小学生の頃から使う文机(ふづくえ)で石牟礼道子さんは原稿を書いた。封建的な農村地帯の主婦だから、夜しか書く時間がない。1965年に始まった連載「海と空のあいだに」は福岡・筑豊の記録作家、上野英信の尽力で苦海浄土となって世に出た。

 他人の不幸を自分のことのように感じる人を水俣では「悶(もだ)え神(がみ)さん」と呼ぶ。19歳で書いた「タデ子の記」は戦災孤児を自宅に引き取る話である。苦しむ人を放っておけなかった。水俣病患者の受難に深く感応し、患者の苦痛や孤独を自分のことのように感じるのは「悶え神さん」ならではである。

 しかし、「悶え神さん」の資質だけなら、石牟礼さんの書くものは通常のノンフィクションのレベルにとどま…

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