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激動の世界を読む

元号で考える近代日本 「優しく正しい」平成時代=アジア調査会会長・五百旗頭真

この時「平成流」の天皇像が生まれた。普賢岳噴火の避難者に、お見舞いの言葉をかける天皇、皇后両陛下=長崎県島原市の島原第一小学校で1991年7月10日、関口純撮影

 元号に示された時代が、実質的な時代区分に合致するとは限らないし、元号に込められた時代への期待がその通り成就することはむしろまれである。とはいえ、元号に示された時代を考えることは、日本人のみに許される特権でもある。

坂を登る明治

 近代日本の四つの元号のうち「明治」がその言葉のイメージにもっとも近い典型的な国家興隆の時代であった。「黒船」に国禁を破られた衝撃と危機感が新時代をつくるマグマを成し、長く続いた徳川の世を揺らした。ただ幕府も討幕派も、西洋列強の介入を警戒し、内戦を限定しつつ新政府を創出した。帝国主義時代の外敵に耐える中央集権制が課題であり、西洋文明の学習と近代化のスピードが日清・日露の勝利を可能にした。「坂の上の雲」と歴史作家に描かれた時代を経て、日本は非西洋社会の中で近代化の先頭を走る立憲君主制の国となった。それを反映して、明治天皇はヒゲをたくわえた洋服姿、それも軍服姿がよく似合った。

 「大正」は踊り場で方向を考え直す局面となった。第一次世界大戦という国際動乱と関東大震災という巨大災…

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