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社説

8期連続のプラス成長 カンフル剤はもう要らぬ

 景気回復が続いている今こそ、目先の刺激を優先して将来につけを残す政策から抜け出す時でないか。

     2017年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は8四半期連続のプラス成長だった。16年から丸2年に及び、1980年代後半のバブル期以来28年ぶりの長さである。

     この間の景気は主に世界経済の拡大に引っ張られた。消費が弱く、外需頼みという課題を抱えたままではある。とはいえ日本経済が全体として底堅さを保っているのは確かだ。

     5年以上に及ぶアベノミクスは積極的な財政・金融政策を続けてきた。短期的には景気を押し上げるが、借金の山を残すなど長くなるほど副作用も大きい。この2年は本来、カンフル剤頼みから脱却する好機であったが、政府の動きは逆だった。

     高齢化に伴う社会保障費の増大などで国と地方の借金は1000兆円を超す。それなのに安倍晋三首相は消費増税を先送りしたうえ借金返済に充てる予定だった増税の使途も変え財政健全化目標を棚上げした。

     借金漬けでは将来の返済負担が重くなる。消費の停滞は若い世代の将来不安が解消しないためとの指摘は多い。だが、安倍政権は危機的な財政を直視せず、高齢化社会を乗り切る抜本的対策も示していない。

     金融政策も日銀が大規模緩和を続け、円安・株高をもたらしてきた。

     強力な緩和は正常化する過程での反動も大きい。代表例が、利上げを進めている米国が震源となった最近の世界的株安である。日銀の緩和は米国より長期で大規模だ。反動も深刻になる事態が懸念される。

     ところが日銀は緩和の出口に向かう道筋すら示そうとしない。首相も国会などで「大胆な緩和の推進を期待する」と繰り返すだけである。

     しかも日本経済の実力を示す潜在成長率は1%程度とアベノミクス前からほとんど変わっていない。従来の財政・金融政策が底上げに結びついていないことを示すものだ。

     足腰を強めるには、遅れている構造改革に本腰を入れる必要がある。

     日本は人口が減少し、活力低下が心配されている。少子化対策が急務だ。人工知能の開発など第4次産業革命を後押ししたり、規制緩和を推進したりすることも欠かせない。取り組むべき政策はたくさんある。

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