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余録

朝廷の命で「羊」という名の渡来人とみられる人物が…

 朝廷の命で「羊」という名の渡来人とみられる人物が郡の初代の長官に就いた。群馬県の古代石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」から読み解くことができる。昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録された▲刻まれた碑文は、飛鳥・奈良時代に大陸から政治体制や漢字文化、仏教が伝わり、広まったことを示している。1300年以上昔の出来事を今になっても知ることができる。なのに、つい何年か前にあったことを知るすべがないとは▲森友学園への国有地売却問題が収束しない。最近になって価格交渉の関連文書がいくつもあることが分かってきたが、真相はやぶの中だ。いつまで尾を引くのかとうんざりしている人も多いだろう。記録を軽視することがいかに罪深いか▲国有地売却の交渉記録を「廃棄した」と国会で答弁した人は徴税事務のトップにいる。税の確定申告がきのう始まったが、納税者から苦情が出るのは当然だ。こちらは郡の長官ではなく、国税庁長官。売却の経緯を刻んだ「碑」はどこへ行ったのか。ちなみに上野三碑には長官の任命に関わったとみられる政権首脳の名も刻まれている▲だが石碑とて万能ではない。三碑の一つには風化して文字が判読しにくい部分もある。それでも今に伝わるのは、碑を作った人だけでなく地元の人たちがずっと碑を大事にしてきたからだ▲長官が国会に出て全ての記録を明らかにするのなら戒めを込めて登録してほしい。「世界の」とはいかないから「日本の記憶」として。

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