メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

藤井五段が永世7冠に勝利 将棋史の塗り替えが続く

 将棋史を塗り替える、ニューウエーブの快進撃である。

     昨年公式戦29連勝を達成し、歴代記録を塗り替えた中学生棋士、藤井聡太五段(15)が、朝日杯オープン戦に優勝した。15歳6カ月での優勝はもちろん史上最年少だ。

     準決勝では、「永世7冠」の羽生(はぶ)善治竜王(47)を、決勝では、王位のタイトルを獲得したことがある広瀬章人八段(31)を破った。1月の準々決勝では、佐藤天彦名人(30)にも勝った。タイトル保持者らを次々に降したのは驚くほかない。

     藤井さんは中学生初の六段に昇段し、加藤一二三九段の最年少記録を抜いた。記録ずくめである。

     特に新時代の到来を感じさせたのは、羽生竜王との公式戦初対決だ。

     落ち着いた物腰で終盤まで攻めきると「将棋を始めた頃からの憧れ。勝利を収めることができて感無量です」と語った。国民栄誉賞を受賞した羽生竜王も「冷静に一手一手指している」と脱帽するほかなかった。

     佐藤名人に勝った後も藤井さんは謙虚だった。名人を超すという小学生の時の夢をかなえても「実力的には及ばない」と表情を引き締めた。

     5歳で将棋と出合い、ひたすら詰め将棋と実戦を重ねた。藤井さんが物心ついた時には将棋ソフトも実力をつけていた。ソフトの判断を突き詰め、自分が間違っていたと納得できれば、抵抗なく吸収している。

     「自分が切り捨てた手も、ソフトはもっと深く読み、いい手とされることが多い。視野を広げて読む必要がある」と、柔軟さをのぞかせる。

     デビューからの連勝を続けていた時、藤井さんは吸収力があり、日を追うごとに強くなると評された。

     負けず嫌いな素顔は変わらなくても、1年のうちに急速に進化したと周囲はみる。終盤に守りの一手を指すなど、棋風は厚みを増した。

     朝日杯は持ち時間各40分の早指し棋戦だ。局面の最善手を見いだすのが早い藤井さんの強さが光った。

     昨年来の活躍は、各方面に影響を与えている。将棋教室に通う生徒が増え、将棋とは縁の薄かった中高年女性の人気も集めるようになった。

     タイトル獲得の最年少記録更新など、今後の活躍も興味が尽きない。伝統文化の未来を担う逸材の成長を温かく見守りたい。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 自民総裁選 進次郎氏、制止され早期表明断念
    2. 自民総裁選 「45%」割れる解釈 麻生氏「どこが善戦」
    3. 唐沢寿明 “充電旅”再び! 出川哲朗と軽井沢へ きょう放送
    4. ORICON NEWS ぼくりり、来年1月で活動終了へ「偶像に支配されちゃうことに耐えられない」
    5. 沖縄読谷 米兵、酔って民家侵入 高2長女、妹抱え逃げる

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです