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社説

ロシア大統領選まで1カ月 選択肢なき選挙の危うさ

 3月18日投票のロシア大統領選挙まで1カ月となった。

     通算4期目を目指すプーチン大統領の再選は確実だ。直近の世論調査では国民の約70%が支持している。

     経済は低迷し、国民の不満は高まっている。政権は打開への処方箋を示していない。それなのに、プーチン氏の人気は高い。

     政見の異なる複数の候補者の中から、有権者が代表にふさわしい人物を選ぶのが民主的な選挙だ。今回、中央選管に登録された立候補者はプーチン氏も含めて8人いる。形式上は民主的な手続きを踏んだ選挙だ。

     しかし、プーチン氏が築いてきた強権統治体制は事実上、国民に選択肢を与えてこなかった。

     国や国営企業が資本を握る主要テレビ局は、プーチン氏を批判する声は伝えない。大衆紙は愛国心をあおって政権を支える。

     体制内野党は力不足で事実上、政権の補完勢力でしかない。

     その中で若者を中心とする不満層の支持を集めてきたのが、ウェブサイトやソーシャルメディアで政権批判を発信するブロガーのナワリヌイ氏だった。だが過去の横領事件で有罪判決を受けたため、今回は規定で立候補を認められなかった。欧州人権裁判所はこの判決の正当性に疑いを投げかけている。

     ナワリヌイ氏は大統領選を「茶番劇」と呼んで投票ボイコットを呼びかけている。「国民の信任」を盾にスターリン以来の長期政権を目指すプーチン氏にとって、投票率の低下は痛手となるかもしれない。

     当初は経済を立て直して国民の支持を集めた一方で、脱税容疑をかけるなどの手法で政敵を排除した。経済が行き詰まると「愛国主義」を掲げ、反対勢力を「欧米の手先」と指弾して国民の不信感をあおった。こうしたプロパガンダがプーチン氏を絶対的な指導者に祭り上げた。

     批判の受け皿を認めない政治体制は独善に陥りやすく、強権政治になる。それを維持するために反対派を排除すれば、さらに国民の閉塞(へいそく)感は強まる。

     当選すれば2024年まで政権を担うことになるプーチン氏だが、今後6年間で何を目指すのかビジョンを示していない。ロシアの行方が危ぶまれる中での大統領選となる。

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