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余録

イラクの洞窟で見つかった旧人のネアンデルタール人の骨は…

 イラクの洞窟で見つかった旧人のネアンデルタール人の骨は右腕が萎縮し、生まれつきの障害とみられた。左目も見えなかったらしいが、推定年齢は40歳。彼らはちゃんと体の不自由な仲間を世話していたのだ▲この洞窟は別の人骨から大量の花粉粒が見つかったことでも知られる。遺体を花とともに埋葬していたともみられ、野蛮視されていたネアンデルタール人のイメージを変える発見となった。ただこの花粉の由来には異論もあるようだ▲これまで発掘された化石人類で最大の脳容量があったのはネアンデルタール人で、今の人類の平均を1割以上上回っていた。だがそんなネアンデルタール人も、絵を描いていた痕跡(こんせき)は一例もなかった▲ところがスペインのラパシエガ洞窟の壁画が6万4800年以上前に描かれたらしいという研究が発表された。とすれば世界最古の壁画になるばかりでない。現生人類が同地に到達する前にネアンデルタール人が描いた可能性が高い▲壁画には動物のような線画やはしごのような図形がある。年代が正確なら、ネアンデルタール人にも抽象的な象徴表現ができたことになる。いわば現生人類と同じ進化の跳躍台に立っていたのだが、運命は彼らを絶滅させてしまった▲近年の研究によれば、過去の混血によって現生人類にもネアンデルタール人の遺伝子が数%残っている可能性があるという。両者の交雑は約6万年前という説もある。あらためて壁画の写真を見れば、心優しい薄幸の親戚の面影がよぎる。

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