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余録

株式市場にはいろいろな動物が生息している…

 株式市場にはいろいろな動物が生息している。よく知られるのは、雄牛(ブル)と熊(ベア)だ。ブルは株価が右肩上がりで行け行けドンドンの状態、ベアは逆に低迷した様を指す▲「黒い白鳥」もいるらしい。めったに見かけない、つまり発生の可能性は極めて低いが、甚大な損害をもたらす出来事のことだ。では今、一番注目すべき生き物とは何か▲それは「灰色のサイ」だろう。米国の作家、ミシェル・ワッカーさんが命名した。いつか起こると知りながら、手を打たず放置することで招いてしまう惨事である。地球温暖化や原発事故などがそうだ▲今月、世界の株式市場がたびたび激しい揺れに見舞われた。きっかけは米国の長期金利上昇である。金利を極端に押し下げる政策が終わりになれば、上昇に向かう。わかってはいたが、株式市場がバブルなら破裂させる針となりかねない。突然、サイに震え上がった▲米メディアCNNは、刻々と移ろう市場内の感情を、クルマの速度計に似た半円形のメーターで表している。左下のゼロが、恐怖一色でリスクを全くとれない状態。ぐるっと右下に振れ切った100は強欲全開で、リスクはむしろ興奮剤となる。サイの姿は気にならない▲1年前に85だった数値は今、18近辺だ。米国市場の数字ではあるが、日本も影響される。100から離れた時が、冷静に問題を見つめ手を打つ好機といえよう。急速な高齢化と公的借金の膨張、ほぼ限界の大規模金融緩和。大きなサイの群れが目の前にいる。

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