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社説

北朝鮮が「米朝対話の用意」 振り回されぬ冷静さ必要

 対話攻勢によって主導権を握り、有利な立場で局面転換を図ろうとする北朝鮮の思惑がうかがえる。

     平昌(ピョンチャン)冬季五輪の閉会式出席のため訪韓した金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党統一戦線部長が韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。韓国側によると、北朝鮮側は「米朝対話を行う十分な用意がある」と述べた。

     金氏は対南政策の責任者だが、米韓両国の制裁対象でもある。2010年の哨戒艦沈没事件を主導したとされる人物だ。金氏をあえて派遣したのは、韓国内保守派の反発を見込んだ揺さぶりの可能性がある。

     一方で代表団には外務省北米局の副局長が入っていた。実際には接触しなかったというが、閉会式に出席したトランプ米大統領の娘であるイバンカ大統領補佐官を意識したのではないか。

     トランプ政権が慎重な姿勢を見せているのは理解できる。北朝鮮は開会式の際に、いったん合意したペンス米副大統領との会談を直前に取り消している。真意を見極める必要があろう。

     明確なのは、北朝鮮が年初から対話攻勢に戦術を切り替えてきたことだ。平昌五輪という舞台を活用して韓国への働きかけを強め、もともと南北関係改善に意欲的だった文政権を取り込もうとしている。

     文氏が米国と対話するよう求めても反発せず、むしろ前向きの姿勢を示すのも計算ずくに見える。文氏を現時点で米国側に追いやるのは得策でないからだ。

     戦術転換の背景にあるのは、国際的孤立が強まっていることへの焦りだと考えられる。

     米国は北朝鮮への洋上密輸に関与した第三国企業などを対象にした追加制裁を発表した。トランプ氏はこれで効果がなければ「非常に手荒な対応」になると警告している。

     米国は同時に、核廃棄を求める国際社会の強い意思を伝え、北朝鮮側の考えを聞くための対話には応じる構えを示す。

     ただし、非核化を目的にしないのであれば交渉に意味はない。強く圧力をかけ続けるのは、北朝鮮にこの点を理解させるためである。

     北朝鮮の戦術を冷静に見極め、核放棄へ導かねばならない。日米韓の連携がますます重要になる。

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