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余録

戦前の南満州鉄道の超特急あじあ号で有名な…

 戦前の南満州鉄道の超特急あじあ号で有名な流線型のパシナ型蒸気機関車もある。川崎重工業の社史を見れば、戦前戦後の鉄道史を飾る名機関車、名電車がずらり並ぶ。新幹線はむろん最初の0系から作っていた▲車両に交ざり、台車だけの写真もあった。戦後の混乱期から電車用の高速台車の開発に取り組み、防振・防音に優れた「OK台車」を1948年に完成させたという記述がある。Oは開発担当者名、Kは社名のイニシャルからとった▲そんな輝かしい車両技術のバトンリレーに何があったのだろう。OK台車ならぬNG(ノーグッド)台車で、鉄道車両部門出身の社長が深々と頭を下げて陳謝した。新幹線「のぞみ」の台車の亀裂の原因がその製造工程にあったのだ▲問題の台車枠の鋼材は厚さが基準に満たず、強度が不足していたという。調べたところ製造現場で溶接作業の便宜のために鋼材を削っていたのだ。むろん強度不足を招く改変は禁じられていたが、完成品のチェックも行われなかった▲つまり生産現場と管理部門とがまるでばらばらだったのだ。かつての日本のものづくりの強みとされた現場と経営の一体感は今や夢物語か。工場からすんなり外に出た欠陥車両が、誰も気づかずに旅客を運び続けたこの10年余だった▲社史には映画でおなじみの米ニューヨークの地下鉄はじめ、海外で活躍する車両の写真も並ぶ。インフラ輸出にものづくり日本の将来がかかる今日、初心に帰って取り戻さねばならぬ信頼のOKである。

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