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社説

新幹線台車の不正加工 強度が犠牲にされるとは

 最大限の安全が求められる新幹線の車両の製造段階で、ずさんな品質管理が行われていた。徹底した原因究明と再発防止策が必要だ。

     新幹線「のぞみ」の台車を製造している川崎重工業が、鋼材を不正に削り込み厚さが基準に満たない台車147台をJR西日本と東海に出荷していたと発表した。

     JR西や東海は、問題が発覚した全ての台車を交換する方針だ。不正が分かった以上は一斉に交換すべきだが、そうすれば新幹線の運行に支障が生じる事態も考えられる。

     JR側は、超音波検査で鋼材に傷が見つからなかった台車については「すぐ亀裂は生じない」と判断し運行を継続しつつ順次交換を進めるという。その判断は理解できるが、安全を確保するために一日も早い交換を求めたい。

     川重の不正加工は全て神戸市の兵庫工場で行われた。同社は1906年にこの工場で鉄道車両事業に初めて乗り出し、64年の東海道新幹線開通当初から新幹線車両を旧国鉄に納入していた。海外展開も進め、台湾の新幹線車体の設計・製造なども担当している。同社の看板事業のもとで起きた不祥事である。

     昨年12月に破断寸前の亀裂が生じた台車は2007年に製造され、台車枠の鋼材は7ミリ以上の厚さが必要なのに4・7ミリしかなかった。

     川重の社内規定では、溶接付近のごく狭い範囲を除き台車枠を削ることは禁止されている。だが台車枠と別の部品を溶接して取り付ける際、作業しやすいように枠を平面に削り込んだという。この作業は管理部門も知らず完成品のチェックもなかった。作業上の都合を優先し強度を犠牲にしたと言わざるをえない。

     JR西の品質管理体制も見直すべきだ。亀裂の破断面には腐食があり、亀裂発生から相当な時間が経過していた。だが昨年2月の車両を分解した検査や、亀裂発覚の当日未明の点検でも異常が分からなかった。

     製品納入時からメーカーと共同して品質検査を実施するなど、異常を少しでも早く発見する体制づくりが急務である。

     神戸製鋼所のデータ改ざんなどメーカーの不正が相次ぐ中、今回の新幹線台車の不正加工は日本への信頼を更に低下させかねない。

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