メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

逃げの答弁続く安倍政権 質疑の劣化が止まらない

 新年度予算案が衆院を通過し、質疑の主舞台は参院に移った。しかし、充実した審議とは程遠い状況に、いきなりなっている。

     その責任はやはり政府側にある。

     参院予算委員会の審議は、安倍晋三首相が今国会の最重要課題と位置づけてきた働き方改革法案のうち、裁量労働拡充部分の削除をようやく決断したことを受けて始まった。

     だが今度は「森友学園」問題に関して、財務省が決裁文書を改ざんしたのではないかという疑惑が朝日新聞の報道で浮上。2日の参院予算委審議はこの問題に集中した。

     疑惑は財務省が2015~16年に学園と土地取引をした際に作成した文書と、昨年2月の問題発覚後に、国会議員らに示した文書に違いがあり、「特例的な内容」といった文言がなくなっているというものだ。

     麻生太郎副総理兼財務相も「事実だとするならば極めて由々しき事態だ」と認めた。野党が事実関係の確認を求めるのは当然だろう。

     ところが麻生氏や財務省は、司法当局の捜査に影響を与える可能性があるとの理由で「答えは差し控える」とかわし続け、審議は再三中断。財務省が省内調査を実施し、6日までに状況を国会に報告する考えをやっと示したのは、この日夕、衆院財務金融委員会の場だった。

     予算委員会は予算案を中心に国のさまざまな課題を整理し、国民と問題意識を共有する場だ。ただし建設的な審議にするためには、政府が野党側の疑問に対し、その都度きちんと答弁していくのが前提だ。

     首相の姿勢も相変わらずだ。衆院審議では経済政策や沖縄県の米軍基地問題について野党がただすと、質問に直接答えず「旧民主党政権時代にどれだけ進んだのか」と長々と野党批判に転じる場面があった。

     衆院予算委は与野党の質問時間配分が見直され、特に首相が出席しNHKで中継される質疑で、野党の質問時間が減った。結局、首相が野党から追及される場面を国民の目からそらすのが見直しの目的だったのではないかと疑う。

     これらの影響で安全保障や、私たちがかねて求めてきた深刻な人口減少問題に関する質疑は置き去りになっている。まず政府が姿勢を改めないと質疑の劣化は止まらない。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. コトバ解説 「被爆」と「被曝」の違い
    2. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    3. 万博 誘致費36億円 大阪府知事「必要経費」理解求める
    4. セシウム マイタケ加工品から基準値超検出 福島 /福島
    5. 天気 札幌で史上最も遅い初雪観測 平年より23日遅く 

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです