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諫干訴訟

福岡高裁和解案を漁業者側拒否 7月30日判決

 国営諫早湾干拓事業(長崎県、諫干)を巡り、堤防の開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟の控訴審で、福岡高裁(西井和徒裁判長)は5日、開門しない代わりに国が漁業振興のための基金を創設するなどの方策で和解するよう、国側と漁業者側に勧告した。高裁は来月4日までに、双方に受け入れの可否を回答するよう求めたが、開門を求める漁業者側は反発し、受け入れ拒否を表明。協議は事実上決裂し、7月30日に判決が言い渡される見通しとなった。

     基金案は長崎地裁の和解協議で提案され、国側が100億円の漁業振興基金を設けるとしたが昨年3月に決裂している。福岡高裁は再び同様の提案をしたことについて「開門は営農者の生活に多大な影響を与え、開門のための対策工事も、影響が最も少ない開門(方法)ですら約243億円」と指摘。開門しても有明海は堤防閉め切り前の状態に戻らず、環境変化の原因が明らかになる保証はないとして、開門は現実的ではないとした。

     その上で、基金案を拒否してきた佐賀県の漁業団体が受け入れを検討しているとして「紛争の全面的解決のためには、開門しない前提の基金で解決を図ることが状況を打開する唯一の方策」と結論づけた。

     漁業者側によると、福岡高裁はこの日の非公開の協議で、請求異議訴訟判決で、国の請求を認めることを示唆。制限的に開門して干拓営農地の被害補償や農業振興の基金をつくる漁業者側の和解案については議論しない方針を示した。

     漁業者側の馬奈木昭雄弁護士は記者会見で「(開門を命じた2010年の福岡高裁)確定判決を覆す判決は許されない」と批判。農林水産省の担当者は「和解成立に向け漁業団体の説得を続けていく」と述べた。【平川昌範、石井尚】

    ことば「国営諫早湾干拓事業」

     大規模農地造成や、高潮などの防災対策を目的に諫早湾の奥を潮受け堤防で閉め切って埋め立てた。1989年に着工し、完成は2008年3月。約670ヘクタールの農地で約40法人・個人が営農している。総事業費は2530億円。湾の閉め切りが不漁の原因と訴える沿岸漁業者に対し、営農者は開門すれば水害や塩害などが出ると主張。民主党政権時の10年、開門を命じた福岡高裁判決が確定したが国は開門せず、漁業者に制裁金を払い続ける事態となっている。

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