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社説

南北首脳会談で合意 非核化の目標を見失うな

 韓国と北朝鮮が4月末の首脳会談開催で合意した。実現すれば11年ぶりのことになる。

     朝鮮半島の緊張緩和のためには対話が必要であろう。ただし、それは北朝鮮の核問題解決につながるものでなければならない。

     韓国側によると、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は米国との非核化協議に応じる意向を表明した。体制の安全が保証されるならば核兵器を保有する理由はないと述べ、対話が続いている間は核実験やミサイル発射を行わないとも語った。

     強く反発してきた米韓合同軍事演習にも理解を示したという。

     好戦的な発言を繰り返してきた金氏の姿勢からは考えづらいほどの譲歩である。これまでの言動に照らして考えてみれば、素直に受け取るのは難しい。

     むしろ、南北関係改善に積極的な韓国の文在寅(ムンジェイン)政権の姿勢を利用し、対米交渉で有利な足場を築こうとするのが真の狙いではないか。平昌冬季五輪を契機に韓国への対話攻勢をかけ始めた時から描いていたシナリオだった可能性が高い。

     北朝鮮はこれまでも、核・ミサイル開発に関する交渉で約束を破り続けてきた。

     北朝鮮は2005年の6カ国協議共同声明で「すべての核兵器と既存の核計画の放棄」を約束している。体制の安全が保証されるなら核保有しないというのも長年の主張である。ミサイル発射の「凍結」も繰り返されてきたが、結局は強硬な姿勢に戻った。

     やはり非核化へ向けた意思確認のためには具体的な行動が必要だ。北朝鮮が実際に動くまでは国際的な圧力をかけ続ける必要がある。

     焦点となるのはトランプ米政権の対応だ。

     トランプ政権は最大限の圧力をかけることによって、非核化のための協議に北朝鮮を引き出そうとしてきた。金氏の言葉を額面通りに受け取るならば米朝対話の条件は満たされると言えるかもしれないが、実際にはそれほど簡単ではない。

     文政権には国際社会の懸念を意識して慎重に準備を進めてほしい。その際に日米との連携は必須だ。非核化につながる会談でなければ、禍根を残すだけである。

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