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炎のなかへ

/100 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月九日(4)

 硬いトウモロコシが半分以上のご飯を噛(か)むあごに、タケシはぐっと力をこめた。これは身も心もよほど引き締めてかからなければ、父にも出征中の義雄伯父さんにも背くことになる。本気になって東京を攻める世界一の大国から家族を守らなければならないのだ。

 アメリカに日本と住む国は違うけれど、父と伯父さんはまったく同じことをタケシにいっていた。ただひとりのこの家の男子として、なにがあっても時田の家とその家族を守らなければいけない。それがおまえの仕事だ。頼んだぞ、タケシ。

 父は出征していないので現在もシアトルで貿易の仕事をしていることだろう。義雄伯父さんは中国の飛行場で…

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