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米国

保護主義鮮明に トランプ氏、輸入制限に署名

 【ワシントン清水憲司】トランプ米大統領は8日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を決め、保護主義政策に向かう姿勢を鮮明にした。輸入増加で国内関連産業が衰退し、「国家安全保障上の脅威になる」と主張するが、例外扱いの条件に通商交渉での譲歩を持ち出すなど、自国に有利な状況を作ろうとする狙いもある。

 トランプ氏は署名式で日本や中国を名指しし、「多くの政治家がかつて誇らしかった産業の衰退を嘆き、多くの国が世界的な生産過剰を批判してきた。しかし、誰も行動しなかった」と述べ、自らの判断を誇らしげに語った。ホワイトハウスによると、中国による過剰生産を主因に2000年以降、米鉄鋼・アルミ産業では約10万人が失業。こうした状況が続けば、戦闘機や軍艦など軍需品の製造に支障が出るという。

 一方、同盟国の日本や欧州、カナダなどは「両産業の衰退は安全保障上の脅威」との主張に「根拠がない」と反論してきた。ホワイトハウス高官は8日、記者団に「鉄鋼・アルミ産業を守るべく制度を設計した」と述べ、自国産業保護が目的であることを隠さなかった。

 安全保障の重要性を説きながらも、過剰生産の震源地である中国だけでなく、同盟国も巻き込む手法には、米国内でも批判が高まる。与党共和党のライアン下院議長は「意図せぬ結果を招く」として反対を表明し、中国などに対象国を絞るよう要請。通商政策を所管するハッチ上院財政委員長も製品の値上がりを通じ「米国の産業や労働者、消費者に害を与える」と見直しを求めた。

 今後は各国の対応が焦点になるが、世界貿易機関(WTO)のルールに従う気のないトランプ政権に対し、自国製品の例外化を求めて輸出自主規制などに応じれば、それ自体もWTOルールに抵触しかねず、一段とWTO体制を揺るがしかねない。一方、報復措置に出れば「貿易戦争」に発展し、自国経済にマイナスになる。各国が結束してトランプ政権に対処できるかが、自由貿易体制の行方を左右しそうだ。

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