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今週の本棚

池澤夏樹・評 『「招待所」という名の収容所 北朝鮮による拉致の真実』=ロバート・S・ボイントン著

 (柏書房・2916円)

「いかに」「なぜ」同時に追う

 現代史とは、ジャーナリズムから歴史への過程のことだ。

 世に言う「拉致問題」について自分が何を知っているか、改めて考えてみると情報の断片しかないことに気づく。広い視野のためには外の視点が要る。

 一九七〇年代から八〇年代にかけて、日本政府公認で十七名、一説には数百名の日本人が拉致されて北朝鮮に運ばれ、自由のない生活を強いられた。五名は帰国したけれど、他の人々について北朝鮮政府は死亡とか入境せずと言っている。

 一つの国家が平時に他国の国民を複数、計画的に拉致する。二十世紀の後半にそういうことが起こった。調査…

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