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今週の本棚

内田麻理香・評 『高機能アルコール依存症を理解する』/『自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド』

 ◆『高機能アルコール依存症を理解する』セイラ・アレン・ベントン著(星和書店・3024円)=水澤都加佐監訳

 ◆『自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド』松本俊彦監修(法研・1728円)

「否認の病」から救い出すために

 酒で失敗することもあるが、私がアルコール依存症のはずはない。人一倍、仕事を頑張っているし、成功もしているから……。アルコール依存症者には、家族も仕事も家も失った者だ、などのステレオタイプのイメージがつきまとう。このようなイメージとは遠く、高収入で社会的に成功している人たちの中にもアルコール依存症者は存在する。この高機能アルコール依存症に焦点を当てたのが『高機能アルコール依存症を理解する』だ。著者は、自らの体験をもとに「全てを失った酔っぱらい」に当てはまらない高機能アルコール依存症者の問題をあぶり出した。彼らはいわゆる典型例に該当しないため、本人も周囲も依存症であると認識することが難しい。治療を始めるのが遅れたり、全く治療されなかったりする。「酒癖が悪いけど、優秀な人だから」と見逃されてしまうのだ。しかし、この依存症は死に至る病であるから、放置できない。

 依存症になる理由は、本人の意志の弱さとは無関係だ。四十年ほど前から、依存症者は自らの抱える困難や苦…

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