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炎のなかへ

/104 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月九日(8)

 計算高いミヤがいった。

「たとえ細川たちに賭けて勝っても、どら焼きは一個半だろう。おれたちが勝ったら、三つはくえるぞ。おまえんとこ弟や妹がいるだろ。家にもって帰って分けてやれるぞ。兄貴の株が急上昇だ」

 佐々木の家族は、この時代めずらしくもない六人きょうだいだった。少年博打(ばくち)の胴元はあごをひねりながらいった。

「そうだな。ここは山っ気をだして大物狙いといってみるか。おもしろそうだ。えーっと、宮西が腹痛で、時田…

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