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社説

大震災7年 福島原発の廃炉 人材育て技術開発着実に

 東京電力福島第1原発事故から7年が過ぎた。除染作業が進んだ構内は、一部を除き全面マスクや防護服の着用が不要になった。事故直後に比べ作業環境は著しく改善した。

     だが、1~3号機の原子炉に残る溶融核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、汚染水の発生も続く。事故は終わっていないという思いを、改めて抱かざるを得ない。

     この1年での大きな進展と言えば、2号機と3号機の原子炉格納容器内にカメラが入り、デブリとみられる塊が確認できたことだろう。

     ただし、デブリの詳しい分布や性状は不明のままだ。政府と東電は昨年9月に改定した廃炉工程表で、最初にデブリの取り出しに着手する号機と工法の決定を、2018年度前半から19年度中に先送りした。21年中に取り出しを始める予定は変えなかったが、見通しが甘すぎないか。

     炉心溶融を起こした原子炉がある建屋には高い放射線や狭い作業スペースなどいくつも障壁があり、廃炉の行く手に立ちはだかる。工程表通りに30~40年で終わる保証はない。

     デブリの取り出しには、格納容器内の詳細な把握が不可欠だ。状況に応じて、新たな技術開発や工程見直しも必要になるだろう。安全確保を最優先に、一歩一歩進むしかない。

     政府や東電、原子炉メーカーなどが参加する国際廃炉研究開発機構(IRID)が連携し、ロボット開発などに取り組んでいる。体制を強化するとともに、廃炉作業を担う人材の育成も今後の課題となる。

     3号機では、水素爆発を起こした原子炉建屋内のプールにある使用済み核燃料を取り出し、敷地内の別のプールに移す作業が今年始まる。

     使用済み燃料の安定保管が大きな狙いだが、移送にはリスクも伴う。慎重に作業を進めてもらいたい。

     汚染水対策では、原子炉建屋への地下水流入を防ぐ凍土遮水壁がほぼ完成した。東電は汚染水発生量を半減させる効果があると試算し、政府の有識者会議がこれを追認した。

     ただ、発生量削減は地下水のくみ上げなど複数の対策を組み合わせた結果だ。凍土壁には345億円の国費が投入され、毎年十数億円の維持費がかかる。費用対効果の評価は、資金を出した政府に加え、国会の場でもしっかり審議すべきだ。

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