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我らが少女A

/220 第6章 28=高村薫 多田和博・挿画監修

 浅井忍は疲労困憊(こんぱい)して多磨霊園から帰り着くと、午後七時半という時刻を確認し、睡眠薬は服用せずにスマホ一台を手にベッドに転がる。夜は薬をやめてみるというのは、朝から決めていたことだったから実行したまでで、いまさらためらったり自分に確認したりする忍耐もなかったのが、よかったのか悪かったのかは分からない。いや、ごまかしても仕方がない。今日たまたま実家へ行ってすべての状況が変わったのが分かったいま、これは新たな地平へ出てゆくための一歩だし、もう迷っている時間はないのだ。

 早朝、仕事に行く前に呑(の)んだコンサータの成分はすでに血中には残っていない。眼(め)には見えない…

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