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社説

成人年齢18歳に引き下げ 社会全体で共有してこそ

 18歳をもって「大人」として扱うことが適当なのか。社会への影響が大きいテーマが国会で審議される。

     政府は、成人年齢を20歳から18歳に引き下げ、結婚できる年齢を男女18歳で統一する民法改正案を決定した。成立すれば、満20歳を成人とした1876(明治9)年の太政官布告以来の制度変更となる。

     2016年に選挙権の年齢が18歳になった。参政権を行使する能力を認めた以上、民法上の判断能力もあるとみなすことには合理性がある。

     社会の少子高齢化が進む中で、おのずと若年層の割合は小さくなる。将来を担う若年者により早く重要な役割を果たしてもらうことは、社会に活力を与える。そういった要請も背景にある。世界各国を見渡しても成年18歳は一般的だ。

     与野党に改正案への表立った反対論は見られず、成立の可能性が高い。ただし、法律が通れば済む話ではない。18歳が大人という自覚と責任を若者が持ち、親の側もそれを受け入れる。社会が18歳成人の意義を共有できるかが問われる。

     この年ごろは成長の途上だ。政府は、飲酒、喫煙、公営ギャンブルは、禁止年齢を20歳未満に据え置く。身体への悪影響やギャンブル依存症増加への懸念を踏まえれば妥当だ。

     18歳成人が実現すると、高校3年で成人になる生徒が出てくる。教育界からは、親権に服さなくなる生徒への指導が困難になるのではないかと心配する声が出ている。保護者と学校の連携について議論が必要だ。

     他にも不安材料は残る。18歳から親の同意なくローンなどの契約が結べる。親が無条件で解約できる現行の規定は18歳から適用されない。

     どう消費者被害を防ぐか。今国会に消費者契約法の改正案が提出されている。デート商法などによる不当な契約を取り消せる規定を盛り込んだが、まだまだ対策は不十分だ。

     1月に多くの市町村で実施している成人式についても考えなければならない。受験生の参加は難しい。「成人の日」を1月上旬としていることの妥当性を含め検討すべきだ。

     付則には22年の施行が書き込まれた。日程ありきではなく、じっくりと課題に取り組む姿勢が求められる。若者の自立を支える施策を十分に整えることが大前提になる。

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