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余録

「問=リトビネンコはなぜロンドンで毒殺されたか?…

 「問=リトビネンコはなぜロンドンで毒殺されたか? 答=ロシアでは死刑の執行が凍結されているためだ」--名越健郎(なごし・けんろう)さんの「ジョークで読む国際政治」(新潮新書)が紹介するロシアのジョークサイトの小話だが、少し説明が必要だろう▲リトビネンコは2006年にロンドンで毒殺された反プーチン政権活動家。毒はポロニウムという放射性物質だった。一昨年には事件へのプーチン大統領の関与をほのめかす英政府の報告書が発表され、露政府は激しく反発していた▲英国での亡命者毒殺といえば、冷戦時代にブルガリア人作家が毒の金属粒を仕込んだ雨傘で刺され殺された事件が有名だ。これもソ連情報機関の支援を受けた秘密警察の仕業といわれ、毒薬はヒマの種子から抽出されるリシンだった▲今度は化学兵器に用いるノビチョクという神経剤だそうな。英国の二重スパイだった露軍情報機関のスクリパリ元大佐と娘さんが意識不明になった暗殺未遂事件である。すでにメイ英首相は露の関与があったと、制裁措置を発表した▲むろん露側はいつもながらの全面否定で、制裁に対抗措置をとる構えだ。だが現場の警官も重体になり、市民の日常が化学兵器で脅かされたこの事件である。英政府は米仏独と共同で露政府を非難し、情報開示を求める声明を出した▲あすの露大統領選の圧勝が確実なプーチン氏は西側諸国民の疑惑など意に介す様子はない。毒をはらんだ疑心暗鬼(ぎしんあんき)は晴らすよりも利用するのがその権力維持の極意らしい。

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