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社説

2期目に入る黒田日銀 政策の正常化こそが責務

 さらにあと5年--。黒田東彦氏を総裁とする日銀の体制が2期目に入る。国会が政府提案の新執行部人事に同意した。再任の黒田氏のほか、副総裁に雨宮正佳理事と若田部昌澄・早稲田大学教授が就く。

     副総裁の2人は新任だが、日銀出身者と、積極的な金融緩和を唱える学者という陣容は変わらない。

     しかし、2期目の黒田日銀は1期目の延長であっては困る。5年前、「2年で物価上昇率2%達成」と鳴り物入りで登場した異次元緩和策だが、いまだに目標は未達のままである。一方で弊害が目立ち、この先ますます負の側面が強まりそうだ。

     2期目の黒田日銀に課せられた責務は、経済を混乱させることなく、今の異常な緩和策を出口に導き、政策を正常化することに他ならない。

     当然、険しい道のりとなる。

     まず技術的な難しさだ。お金の量を劇的に増やす量的緩和が限界に近づいたため、日銀は2016年9月、長短金利の水準をコントロールする新たな手法に軸足を移した。

     政策を正常化していく過程で、この金利が徐々に上昇するよう誘導する必要があるが、日銀が上昇容認のシグナルを送っただけで、狙い以上に高騰してしまう恐れがある。長期化した異次元緩和からくる反動だ。

     ところが、市場の過剰反応を正そうとすれば、国債購入という、政策意図とは逆方向の介入をせざるを得なくなる。

     タイミングの問題もある。物価上昇率が2%以上で安定、という出口の条件が整うのを待っていては、正常化は手遅れになるだろう。景気が良い今のうちに、「2%」に固執する従来の姿勢を転換すべきだ。

     最も困難なのは、政治との関係ではないか。

     安倍晋三首相は、政策の継続を期待して黒田氏の再任を決めたはずだ。政権の長期化には、経済の安定が不可欠で、急激な円高や株安のリスクを伴う政策変更は望まないだろう。借金依存の財政を続ける上でも、金利上昇は避けたいと思われる。

     だが、日銀は政権のための機関ではない。物価の安定を通じて「国民経済の健全な発展に資する」、と20年前に施行された新日銀法は理念を掲げている。問題先送りのまま2期目も終わり、は許されない。

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