メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

くらしナビ・ライフスタイル

スマホ、依存症のおそれ警告を

日本小児科医会が作製したリーフレット

 子どもに浸透するスマートフォン(スマホ)にどう向き合えばよいのか。福岡市で1月、健康面への影響を話し合うフォーラム「スマホ社会と子どもの育ち」が開かれ、8人の専門家が問題点を報告した。

 ●子どもへの悪影響

 NPO法人「子どもとメディア」(福岡市)が主催し約550人が参加した。国に対策を求める意見が強く、たばこの有害表示のように、スマホにも「子どもの発達や健康への懸念を注意喚起する表記が必要」との提言がされた。

 富田香・平和眼科院長はスマホばかり毎日長時間見ていた場合、近視が進行しやすくなるほか、「両目を内側に寄せて見るため、遠くをぼんやりと見るよりも目が疲れやすい。中高生でもスマホ老眼になる可能性がある」と警告した。運動量の減少や、距離感や空間を認識する能力が低下する恐れもあるという。

 日本幼児体育学会長の前橋明・早稲田大教授によると、体温が高くなって一番運動に適した午後4時ごろに、スマホやゲームをしている子どもが増加している。その結果、夜になっても、心地よい疲れが訪れず、午後10時を過ぎても起きている子どもが増えているのが最近の特徴だという。前橋さんはこうした睡眠リズムの崩れが遅寝・遅起き型の子どもを増やすといい、「体を動かす楽しさをもっと子どもたちに体感させてほしい」と訴えた。

 ●肥満や依存症にも

 宮崎県内の学童たちの運動器検診データを基に、帖佐(ちょうさ)悦男・宮崎大医学部教授は「約1割の子どもが背骨や足、膝などの運動器に障害がある。足のかかとを地面につけたまましゃがむ姿勢ができず、うしろにひっくり返る子どもが1割程度もいる」と分析。運動不足による肥満や身体のバランス能力の低下を問題視した。そのため、最低でも週に3回は外遊びをさせたいと呼びかけた。

 このほか、樋口進・国立病院機構久里浜医療センター院長は、ゲームにのめり込むと成長してスマホ依存がひどくなると問題視。「ネット依存症」として治療が必要になる場合もあるとの実態を報告した。

 内閣府が昨年1月、0~9歳の子をもつ親1550人に聞いた「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」によると、3~5歳では約4割、6~8歳では約5割、9歳では約66%の子どもがスマホやタブレットなどの機器でインターネットを利用していた。平日の平均利用時間は60分もあった。また、機器を利用している子どものうち、43・8%が子ども専用の機器をもっており、9歳では72・6%にも上っていた。利用内容の上位は動画視聴が85・4%、ゲーム65・8%、知育30・4%となっている。

 こうした状況に危機感を抱いた日本小児科医会は5年前から、一般向けに「スマホに子守りをさせないで!」などと記されたカラー刷りのリーフレットを作製。内容を更新しつつ、医療機関や自治体などに配布している。

 ●1日2時間以内に

 スマホの弊害を防ぐためにはどうすれば良いのか。日本小児科医会業務執行理事の内海裕美・吉村小児科院長は、「乳幼児に限れば、一人では絶対に使わせない。スマホで動物の動画を見せたら、実際に動物園に行って本物を見る機会をつくる」とアドバイス。さらに「スマホを見るときは30センチ以上目を離し、夜は使わせない。テレビも含め、電子映像メディアとの接触時間は1日に2時間以内とし、休日は親子で外で過ごす」と提案する。【小島正美】

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して毎日新聞社は一切の責任を負いません。また、投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
  2. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
  3. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
  4. 全国高校サッカー 県大会 西京、5年ぶり全国切符 高川学園の猛攻しのぐ /山口
  5. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです