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社説

安倍首相の「関係ない」答弁 保身だけでは不信拭えぬ

 国民は行政中枢でのでたらめにいら立っているのに、行政の最高責任者が「自分は関係していない」と言い募ることに強い違和感を覚える。

     参院予算委員会できのう行われた森友学園問題の集中審議における安倍晋三首相の答弁である。

     いま首相に問われていることは二つある。一つは「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」という昨年2月の国会答弁と公文書改ざんの関係をどう考えるかだ。

     一国の首相が「辞める」とまで言ったことが官僚組織に強いストレスを与えたことは想像に難くない。

     首相の意向をそんたくした財務省の佐川宣寿前理財局長が無理な説明を重ね、その説明に合わせて文書が改ざんされたのではないか。そんたくを受ける側が「なかった」と否定する一方的な主張に説得力はない。

     もう一つは、妻昭恵氏と学園との特別な関係がなければ、ここまでの事態に至っていないということに責任を感じているのかどうかだ。

     首相は、改ざん前の文書に直接的な関与を示す記述がなかったとして「私や私の妻が関わっていないことは明らかだ」と繰り返した。

     では、国会議員でもない昭恵氏が学園で講演したり土地を視察したりした記述がなぜ文書にあったのか。太田充理財局長は「総理夫人ということで(記載した)」と答弁した。

     関係しているかどうかを決めるのは首相ではない。重要なのは、契約の過程で財務省が昭恵氏と学園の関係に注目していたことだ。

     改ざん前の文書には学園側の発言として、昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」との言葉をもらったとの記述もある。

     首相によると、昭恵氏は「言っていない」と話しているという。夫婦間の確認だけを根拠に学園側の言い分をはねつけても、財務省のそんたくまでなかったことにはならない。

     自民党議員も質問に立ったが、財務省に責任を押しつける発言が目立った。民主党政権で首相秘書官を務めた経歴のある太田氏を「安倍政権をおとしめるために答弁しているのでは」と指弾する場面もあった。

     責任逃れに走る安倍政権の姿勢に危機感は乏しい。首相が保身にきゅうきゅうとしている限り、真相究明も再発防止も進むまい。

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