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SUNDAY LIBRARY

本郷 和人・評『修羅の都』伊東潤・著

優しいだけでは無力 修羅にならなくては

◆『修羅の都』伊東潤・著(文藝春秋/税別1850円)

 私は一応、鎌倉時代の政治史、また鎌倉幕府の根本資料である『吾妻鏡』の専門家の一人である。だが、北条政子という人物はどうにも分からない。

 自ら産んだ男子を二人とも政争の中で失った、あるいは自らすすんで葬り去った彼女について、研究者の評価は二つに分かれる。肉親の情を殺して武士の政権を守り抜いた有能な政治家か。父の北条時政、弟の義時に利用され、北条家の覇権確立の道具となった哀れな女か。

 本書の解釈は断然、前者である。政子は頼朝をもっともよく知る人物であり、彼の理念に共鳴し、ともに修羅…

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