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ゆうちょ銀

貯金限度額、議論大詰め 民間金融界、撤廃なお猛反発 郵政民営化委、提言取りまとめ遅れも

ゆうちょ銀行の限度額撤廃、賛否は?

 ゆうちょ銀行の貯金限度額の見直しをめぐる議論が大詰めを迎えている。「利便性向上」を重視する総務省の意向を背景に、政府の郵政民営化委員会(岩田一政委員長)は従来、限度額を撤廃する方向だった。しかし、民間金融界は「民業圧迫」と猛反発。民営化委は急きょ、関係者の意見聴取を実施することになり、当初想定した月内の提言の取りまとめは遅れる可能性もある。【浜中慎哉】

     ゆうちょ銀の限度額は現在、いつでも窓口や現金自動受払機(ATM)で出し入れできる通常貯金と、貯蓄向け定期・定額貯金を合わせて1人1300万円。民営化委の提言を受けて、2016年4月に限度額が従来の1000万円から引き上げられた経緯がある。

     ただ、利用者は依然、退職金などまとまったお金を預け入れられない不便があり、ゆうちょ銀側も限度額到達時の利用者への案内など事務負担が大きい。民営化委は前回の限度額引き上げ後に民間金融機関からゆうちょ銀への資金シフトが限定的だったことも踏まえ、限度額を撤廃する方向だった。

     しかし、政府が株式の過半を持つ日本郵政のゆうちょ銀への出資比率は7割超と依然高く、政府の信用力を背景とするゆうちょ銀に対する金融界の「民業圧迫」懸念は強い。全国銀行協会の平野信行会長は15日の記者会見で「(貯金限度額が撤廃されれば)資金シフトが起きて地域金融機関の経営に支障が出る可能性がある」と述べるなど、反対姿勢を鮮明にしている。

     一方、日本郵政の長門正貢社長は同日の民営化委の会合で通常貯金の限度額を撤廃するよう要望した。要望通りになれば、定期・定額貯金に1300万円の限度額が残る。長門氏が貯蓄向けを含む限度額の完全撤廃を求めなかった背景には「地方再生事業などで連携する地銀などへの一定の配慮があった」(日本郵政OB)との見方もある。だが、地銀や信金業界は、通常貯金の限度額撤廃についても「取引先の中小企業が代金決済用口座をゆうちょ銀に移す可能性がある」などと懸念しており、反発は収まりそうにない。

     民営化委は23日に全銀協や全国地方銀行協会、全国信用金庫協会から意見を聴取する予定だ。


     ■KeyWord

    郵政民営化

     小泉純一郎政権の構造改革の一環として、2005年に郵政民営化法が成立(12年に改正)し、07年に旧日本郵政公社が株式会社となり、民営化された。国営のままだと民間銀行の業務を圧迫するとの批判から、郵便貯金や簡易保険が国民から集めた資金を効率よく使うことなどが目的。当初持ち株会社の日本郵政と郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4子会社体制で始まったが、郵便事業と郵便局は12年に統合され3子会社体制となり、15年に日本郵政と金融2社が株式上場した。ゆうちょ銀行に預けられる貯金は、民間との公正な競争を考慮し、限度額が設けられている。限度額を変更する際は、政府の郵政民営化委員会の意見を聞くことが義務付けられている。

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