メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

米国

中国製品に高関税、対象5.3兆円

 【ブエノスアイレス清水憲司、ワシントン高本耕太】米政府は22日、中国による知的財産権侵害や米企業への技術移転の強要に対抗して、中国製品に高関税を課す制裁措置を取ると発表した。23日には鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限も発動する予定。中国は強く反発して報復措置を検討しており、世界的な「貿易戦争」の引き金になるとの懸念が一段と高まっている。

「貿易戦争」の恐れ

 ホワイトハウスの発表によると、高関税の対象はハイテク製品などで、年500億ドル(約5.3兆円)規模。トランプ大統領が22日午後、大統領令に署名する。米通商代表部(USTR)は15日以内に対象製品のリストを提示。トランプ政権は国内企業などから意見を募ったうえで、署名から60日以内に制裁措置を発動する。

 トランプ政権が問題にするのは、中国企業がブランド品の複製品や、映画などの海賊版を制作することで米企業が収益を奪われたり、中国市場に参入する際に中国企業への技術提供を事実上義務づけられたりする状況だ。制裁発動に向け、昨年8月から米通商法301条に基づく調査を進めてきた。

 中国は2000年代以降「世界の工場」としての地位を確立してきた。技術開発力では日米欧に及ばなかったが、巨大な自国市場への参入条件として外国企業に技術移転を求めて追い上げを図り、急速に経済力を伸ばしてきた。近年は豊富な資金力と人材を生かし、人工知能(AI)や電気自動車など先端分野でも主導権奪取をうかがうようになった。米国は「中国は世界中の産業を乗っ取ろうとしている」(財務省高官)と強い危機感を抱いており、強硬手段に踏み出した。

 ただ301条に基づく制裁措置を発動した場合、世界貿易機関(WTO)のルールに反する恐れがある。日本政府関係者は「米国が中国に強い姿勢に出るのは前向きな動きだが、今回の手法はルールに基づく世界の自由貿易体制を崩しかねない」と指摘する。米ピーターソン国際経済研究所のチャド・ボーン氏も「トランプ政権が正当な問題を取り上げたとしても、時代遅れの手法を使うことで本当の課題が見えにくくなってしまう」と懸念する。

 23日には鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限も発動することになっており、日本や欧州連合(EU)などは、除外の対象になるよう米国と交渉を進める方針だ。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 奈良女児殺害14年 父親が手記「私の背中そっと支える」
  2. 衆院内閣委 桜田五輪相「判断力は抜群」「世界で有名に」
  3. 慰安婦財団解散 日本政府、強く反発も…漂う“韓国疲れ”
  4. 夜景都市 新三大夜景、神戸が4位に、北九州市に抜かれる
  5. 兵庫県警 ホルマリン誤注入で医師ら書類送検 患者に傷害

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです