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社説

大統領補佐官にボルトン氏 イラクの教訓を忘れるな

 トランプ米政権はさらにタカ派色と北朝鮮シフトを強めたようだ。

     大統領との不協和音が指摘されていたマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が辞任を表明した。事実上の更迭である。

     後任に指名されたボルトン元国連大使は、イラク戦争に向けて米国の世論工作を行ったネオコン(新保守主義派)の代表格で、イランや北朝鮮攻撃も排除しない強硬派だ。

     「国際協調派」のティラーソン国務長官が解任されポンペオ中央情報局(CIA)長官が後任に指名されたのと同じ構図である。北朝鮮やイランに対して「より強硬な人物」やイエスマンをそろえているのは危険な兆候と言わざるを得ない。

     ボルトン氏は今年2月、北朝鮮に関するポンペオ長官の見解に基づいて北朝鮮を「差し迫った脅威」と断じ、先制攻撃に反対する人々は間違っていると米紙に寄稿した。呼吸の合った連係プレーとも言えよう。

     だが、疑問や不安は多い。第一に、安全保障政策の要となる補佐官を猫の目が変わるように、あるいは使い捨てのように代えていいのか。

     この重要ポストは大統領任期に合わせて4年務める例が多いが、トランプ政権では発足1年余りで2回も交代し、ボルトン氏が3人目の安保担当補佐官になる。

     最大の不安は、ボルトン氏がブッシュ政権の国務次官としてイラク戦争に深く関与したことだ。この時もネオコンなどはイラクを「差し迫った脅威」としたが、大量破壊兵器は発見されず米国は国際社会の非難を浴びて孤立した。この苦い教訓をボルトン氏は忘れてはなるまい。

     軍出身のマクマスター氏は冷静な状況判断に定評があった。同氏が去った後、トランプ政権がより強硬に、独断的になる恐れは小さくない。

     北朝鮮の脅威はイラクと違って実体がある。だが、ボルトン氏は北朝鮮との交渉は「時間の無駄」と強硬一辺倒の姿勢を取り、北朝鮮から「人間のクズ」呼ばわりもされた。

     トランプ氏は強硬姿勢の側近をそろえて北朝鮮への圧力を強めたいのだろうが、とりわけボルトン氏の存在が、5月とされる米朝首脳会談に向けてプラスになるかどうか。米朝間の摩擦で対話機運が一転、対決に向かうような事態は避けたい。

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