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今週の本棚

加藤陽子・評 『極夜行』=角幡唯介・著

 (文藝春秋・1890円)

生と死 素手でやりとり

 評者は日本近代史を専門としているので、その種の仕事本に囲まれて日々生活している。だが書痴としての本性はむしろ、糊を効かせたシーツのベッドで読む寝床本の領域で発揮され、「池の水全部抜く」ではないが、好きな作家の著作は全部揃(そろ)えて全部読む。中勘助、椎名誠、開高健、山田風太郎、大岡昇平がそうだった。近年そこに角幡唯介が加わった。そう、本書の著者にほかならない。

 この6人に共通するものは何かとの、読者の頭に当然浮かぶ問いには、地球という惑星上の人間界と自らの関…

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