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アングル

神戸市長田区・識字教室ひまわりの会 「共に学ぶ」ひとときを 心のつながり求め、ここへ /兵庫

この日の勉強のテーマは「放射線物理学入門」。ルビ入りの資料を見ながら「むずかしいわ~」=神戸市長田区の市立長田公民館で、木田智佳子撮影

 「きょうの勉強は難しいね~」「いっぺんに頭入らへんわ」。ノートをとる手を止め、笑いとため息混じりにつぶやき合うのは、ちょっとお年を召した生徒たち。寄り添って座る大学生が、どれどれとのぞき込む。

     神戸市立長田公民館(神戸市長田区)の一室。土曜の午前、識字教室「ひまわりの会」が開かれている。20歳前後から80代まで、この日は約20人。「共に学ぶ」ひとときを過ごしている。

    「ちょっと教えて」。隣の大学生にそっと質問=神戸市長田区の市立長田公民館で、木田智佳子撮影

     阪神大震災時、避難所や手続きの場で、文字の読み書きができずに困っている人がいた。「何とかしなくては」。翌年、ボランティアによりプレハブの建物で教室は始まった。

     文字を「読んどう(読んでいる)だけでもうれしい」と話す林玉子さん(83)=須磨区。小学4年で終戦、子守などに追われ学校から遠ざかった。76歳で夜間中学へ。昨春、定時制高校を卒業。「覚えるのは時間がかかるのに、忘れるのはすぐ」。だから「一文字を追っかけてる」、そんな思いで学び続けるのだという。

    (左上から時計回りに)「放射線のこと、勉強したら、テレビのニュースの見方も変わってくるね」▽漢字は得意だけれど「かなの読み書き、会話がまだちょっと」という中国・上海出身の男性(左)。「勉強して(できて)幸せ」▽この日書いた作文を読み上げ、満足の笑顔▽学習者の女性がゆっくり文をつづるそばで見守る桂光子さん(左)=いずれも神戸市長田区の長田公民館で、木田智佳子撮影
    公民館でのイベントで展示された学習者の習字作品。左の作者(女性)は電動車椅子で1時間かけ教室に通ってきていた=神戸市長田区の市立長田公民館で、木田智佳子撮影

     現役や元教員、主婦、大学生たちが教室を支える。二十数年、ひまわりと歩みを共にしてきた元夜間中学教員、桂光子さん(82)は話す。「文字の勉強だけでない、心のつながりを求めて人はここに来る。私は、いろいろな人生を学ばせてもらっている」【木田智佳子】

          ◇

     「アングル」は終わります。

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