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余録

共産圏のトップ外交でも…

 共産圏のトップ外交でも超重量級といえるのは毛沢東(もうたくとう)主席によるソ連のスターリン首相訪問だろう。新中国建国後すぐに毛は専用列車を仕立て、11日間をかけて北京からシベリア鉄道経由でモスクワを訪ねた▲毛のモスクワ滞在は公式の発表がないまま2カ月に及び、西側ではスターリンが毛を監禁したと臆測が流れた。その間、渋るスターリンに中ソ同盟条約締結を認めさせ、これも列車で訪ソした周恩来(しゅうおんらい)首相が大々的な調印式にのぞんだ▲「話し合いは見栄えがよく、おいしいものでなければならない」とは、この時のスターリンに対する毛の言葉という。さてそんな共産圏の秘密列車外交の伝統芸を、21世紀にまで引き継いだ北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長の北京訪問であった▲金委員長は中国の習近平(しゅうきんぺい)総書記と首脳会談を行い、朝鮮半島の「非核化の実現」で一致したというから話し合いの「見栄え」は申し分ない。冷え込んでいた中朝関係を修復し、戦略的協力関係の強化を確認したというふれこみである▲南北会談、米朝会談をひかえ自らの足場を強化したかった金氏だろう。一方で東アジアの国際政治で蚊帳(かや)の外に置かれるわけにいかぬ中国には願ってもない中朝のきずな復活である。双方に「おいしい」会談だったのは分かりやすい▲見栄え先行の「非核化」を現実のものにすべき今後の交渉だが、当面は一連の会談を見守るしかない日本外交だ。米国第一のトランプ政権に頼り切った無策には不安も募る近隣諸国の外交攻勢の渦中である。

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