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社説

遅れる財政立て直し 無責任な成長頼みのつけ

 安易な経済成長頼みの財政運営では借金漬けが続くだけだ。そうした問題がはっきりしたのではないか。

     政府は、2020年度まで5年間の予定で進めている財政健全化計画の中間評価をまとめた。指標とする基礎的財政収支は18年度の赤字が目標より10兆円以上も多くなる。それだけ借金まみれということだ。

     最も響いたのは税収の伸び悩みだ。想定より4兆円超も少なくなる。

     安倍晋三首相は経済成長に伴う税収をできるだけ多く見積もって健全化を図ろうとしてきた。痛みを伴う歳出削減や増税を避けるためだ。

     健全化計画は名目3%以上の高成長を想定したが、昨年までの実績は1%台にとどまる。1000兆円を超す借金を抱える危機的な財政なのに、現実離れした成長を当てにしてきたのは極めて無責任である。

     次に影響したのは景気対策を名目に大型の補正予算編成を繰り返したことだ。基礎的財政収支の赤字を2兆円強悪化させる要因となった。

     景気が刺激され税収が増えるどころか伸び悩んだ。財源確保のため国債を発行し借金を増やしただけだ。

     そもそも今の健全化計画は、基礎的財政収支の20年度黒字化を目指していた。だが首相は昨年、その目標を先送りした。19年の消費増税の使途を借金返済から教育無償化に変えたためと説明するが、成長に依存した健全化の限界は明らかである。

     首相は6月にも黒字化の新たな達成目標を示す方針だ。従来の計画がうまくいかなかったことを踏まえて策定すべきだが、懸念は多い。

     まず成長頼みを変えていないことだ。政府は今年に入って、新たな黒字化目標の前提となる成長見通しを公表したが、依然として楽観的だ。

     財政出動にも意欲的だ。首相は最近、消費増税と東京五輪後の景気悪化を防ぐ対策の検討を指示した。積極財政を支える日銀の低金利政策の継続に期待しているのだろう。

     これでは、新たな黒字化目標を作っても達成が危ぶまれる。

     財政の立て直しが遅れるほど将来世代につけが回り、借金返済の負担が重くなる。団塊の世代が75歳以上になり、医療費の急増が予想される25年も迫っている。裕福な高齢者に医療費の負担増を求めるなど抜本的な歳出改革に踏み込むべきだ。

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