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社説

米韓の合同演習始まる まだ圧力を緩められない

 米軍と韓国軍による合同軍事演習が始まった。北朝鮮軍による韓国への侵攻に備えるとともに、米韓連合軍の作戦能力の維持・向上を図る狙いがある。

     例年は2月末か3月初めから約2カ月行っているものだ。今年は年初来の南北関係進展を受けて、韓国で開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪とパラリンピックの閉幕後に延期されていた。

     期間は例年の半分となる約1カ月で、米軍の空母や原子力潜水艦、戦略爆撃機は参加しない見通しだ。北朝鮮への圧力を高めるため空母などを大規模に動員した昨年からは様変わりとなった。

     27日の南北首脳会談、来月までに行われる見込みの米朝首脳会談を控え、米韓両国が必要最小限の規模にとどめたのだろう。

     金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は先月、韓国の特使に演習への「理解」を示したとされる。実際に北朝鮮は特別な反応を見せていない。北朝鮮が米国との交渉実現を最優先して自制していると見ることができる。

     韓国では一時、対話の流れを尊重して演習を再延期すべきではないかという声も出た。

     だが、軍事的圧力には外交交渉を下支えするという役割もある。外交的な目的達成への道筋が明確に見えていない状況で、軽々に方針変更をすべきではない。

     春の演習は1992年に中止されたことがある。北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の査察に協力する姿勢を見せたためだが、結局は核開発に歯止めをかけることにつながらなかった。

     今回の状況も大きくは違わない。

     金氏は「非核化」に言及し、米韓や中国との首脳外交に乗り出した。軍事的な挑発を繰り返すのに比べれば、はるかに好ましいことだ。

     しかし現時点で、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる状況が変わったと言うのは難しい。雰囲気はよくなっているが、金氏の言葉を裏打ちする動きはまだ認められないからだ。

     北朝鮮が非核化へ向けて具体的な行動を取るまで、経済と軍事の両面で圧力を緩めることはできない。これまでの経緯を考えれば、この原則は譲れない。

     演習中止を論じられる環境を作るには北朝鮮の行動が必要である。

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