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舞台をゆく

福井県越前市(津村節子「花がたみ」) 桜が見守る紙すきの技

 「和紙の里」として知られる福井県越前市を舞台にした津村節子さんの小説「花がたみ」は紙すき業の娘、綾乃の挫折と成長を描く。物語の軸になっている和紙づくりをもっと知りたくなり、越前市を訪ねた。【田中博子】

 23歳の綾乃は見合い相手に婚約を破棄され、世間の目から逃げるように東京に向かう。相次ぐ困難に見舞われながらも懸命に生きる中で、それまで背を向けていた家業の紙すきを誇りに思う気持ちが芽生えていく。

 早春の福井は、日本海側特有のどんよりとした曇り空が広がっていた。ただ、澄んだ空気が心地よく、思わず…

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