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社説

繰り返された陸自の隠蔽 常識が通じぬ内向き体質

 やはり隠蔽(いんぺい)だった。

     昨年明らかになった南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽に続き、イラク派遣部隊の日報も陸上自衛隊がその存在に気づきながら1年以上隠し続けていた。

     昨年2月に当時の稲田朋美防衛相が調査を指示し、1カ月後に陸自研究本部で見つかったが、防衛相に報告されていなかったという。

     今年1月に陸上幕僚監部に日報発見の報告があったと小野寺五典防衛相が発表したのは4月2日だった。わずか2日後、実は昨年3月に見つかっていたと修正された。

     発表の混乱ぶりが、二つの疑問点を浮かび上がらせた。

     一つは、なぜ昨年3月の時点ですぐに報告しなかったのかだ。南スーダンの日報を調べる中で見つかったというが、イラクの日報に関する防衛省の調査指示を担当者が知らなかったとは思えない。「認識が甘かった」などという言い訳は通じない。

     南スーダンに加えてイラクの日報にも問題が拡大すれば、陸自の組織が大きな打撃を受けるという危機感があったことは想像できる。その後、稲田氏とともに当時の陸上幕僚長も引責辞任したが、隠蔽は続いた。

     もう一つは、今年1月に報告を受けたという陸幕から、統合幕僚監部を介して小野寺防衛相に情報が届くまでの2カ月半の空白だ。

     統幕には背広組の官僚もおり、防衛相を補佐する防衛省内局との連絡調整に当たっている。内局も含めてどこまで情報が共有されていたのか、早急に解明すべきだ。

     必要な情報が自衛隊から防衛相に上がらなければ、内閣による文民統制(シビリアンコントロール)は成り立たない。結果として1年以上、国会に「日報は見つからなかった」とうそをつき続けたことになる。

     陸自が組織防衛のためうやむやのまま隠し通そうとしたのであれば、あまりに危うい。常識とかけ離れた内向きの論理で隠蔽を繰り返す体質を改めさせる責任は政治にある。

     その意味では稲田氏も当事者だ。「怒りを禁じ得ない」と陸自を批判するだけでは、無責任に過ぎる。

     自衛隊という実力組織の文民統制は最終的に政権全体の問題だ。防衛省だけの問題で片付けられないことも指摘しておきたい。

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