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手探りの道徳

教科化元年/中 公の答え、探さない 教員の卵、自らにも問いかけ

光村図書の小学6年の道徳教科書に載っている「手品師」。他の7社も高学年で扱っている=東京都千代田区で2018年4月5日、西本勝撮影

 正直な心。謙虚な心。礼儀正しい心。道徳の教科書を開くと、たくさんの「心」が目に入る。「心が傷つくというけれど、どこが何センチくらい傷つくのかな。頭、それとも胸?」。筑波大で道徳教育論の講義をする吉田武男教授(64)は教員の卵に素朴な疑問を投げ掛ける。

 60年間、正式な教科ではなかった道徳は、研究者が限られる。大学の教員養成課程でも、倫理や教育哲学の研究者が道徳教育を教えているのが実情だ。数少ない専門家の吉田教授は「教員になれば、授業の指導案をどう作るかという方法論の世界になる。けれど、教えるべきだとされる価値そのものに疑問を持ちながら、子どもと向き合ってほしい」と言う。

 長く道徳の副教材に採用され、小学校の八つの教科書全てが収録した「手品師」という話がある。売れない手…

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