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社説

町村議員の成り手不足 多様な選択肢が望ましい

 全国一律の運営では、過疎地の議会は行き詰まってしまうという認識の表れだろう。

     町村など小規模自治体の地方議員の成り手不足について、総務省の有識者会議が対策案をまとめた。

     現行の地方議会に加え、議員数について「少数精鋭型」「多人数参加型」の二つのタイプを選択できるよう、制度化を求めた。議会のあり方を多様にすることで、人材確保につなげようとする発想は理解できる。

     人口減少と高齢化で、過疎地の議員の人材難は深刻だ。人口約400人の高知県大川村は村議会を廃止し、住民が一堂に会する「町村総会」に代えることも一時は検討した。

     有識者会議が示した二つのタイプは自治体が条例で採用できる。少数精鋭型は議会活動に専従する議員を3~5人程度に絞りこみ、報酬を増額する。議員を減らす代わり、裁判員のように無作為で選ばれた住民が審議に加わる仕組みも導入する。

     多人数参加型は逆に兼業の議員を前提とし、報酬を抑えて定数を増やす。現在は禁じている他自治体の職員との兼務も認める。夜間や休日の活動を原則とし、一部の事案は議決の対象から外す。

     町村議員の平均月収は都道府県議の4分の1程度の水準で、専業の難しさが人材難の一因だといわれる。一方で、平日昼の会議が原則では他の仕事との兼業も難しい。専従と兼業のどちらかに特化させ、参入のハードルを下げようというわけだ。

     具体化にはなお、多くの課題がある。少数精鋭型の場合、一部の人たちだけで自治が運営される懸念をどう解消するか。多人数型で、議会の権限の一部を制限するとしている点も、慎重な検討が必要だ。

     町村総会について「現状では困難」だと結論づけたのも疑問が残る。確かに出席者の確保など難しい点はあるが、人口が極めて少ない町村であれば実現可能ではないか。

     地方側には提言に「押しつけ」との反発もある。もちろん、町村議会が自主的に人材確保に努めることが先決だ。現行制度でも、夜間の議会開催を本格導入した例もある。

     政府は提言を踏まえ、法制化に着手する。細部まで規定せず、自治体の裁量や多様性を尊重した制度とするよう、十分に留意すべきだ。

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