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社説

シリアでまた化学兵器攻撃 ロシアも責任を痛感せよ

 化学兵器を洗い流そうと必死に水を浴び、泣き叫ぶ子供たちの姿に言葉を失う。シリアではいつまでこんな悲惨な状況が続くのか。

     同国の首都ダマスカス近郊で化学兵器が使われ、呼吸困難などで子供を含む多数の市民が死亡した。

     シリアでは昨年4月、猛毒の神経ガス・サリンが使われ約90人が死亡、米トランプ政権はアサド政権への懲罰として政府軍の拠点を巡航ミサイルで攻撃した。

     塩素ガスが使われたという今回の事件は昨春に匹敵する規模とも言われ、米国が英仏と共に政府軍の拠点を攻撃する可能性も強まっている。

     これに対しアサド政権と後ろ盾のロシアは「でっちあげ」と反論するが、まるで説得力がない。

     身に覚えがないなら、なぜ独立調査機関の設立を求める国連安保理決議案に反対するのか。そもそもシリアでの化学兵器使用を調べる合同調査機関(JIM)が昨年で活動を終えたのは、安保理でロシアが継続に拒否権を行使したからだ。

     今回、ロシアとシリアが化学兵器禁止機関(OPCW)の現地調査団を受け入れる用意を表明したのは前進とはいえ、両国は全面的な調査に協力して化学兵器放棄に関する義務と責任を果たすべきだ。

     ロシアは2013年、アサド政権の化学兵器使用に対して米オバマ政権が空爆を予告した時、アサド政権に化学兵器放棄を約束させて空爆を回避した経緯がある。

     その際、安保理はシリアに化学兵器の完全廃棄を義務付ける決議を採択し、これがOPCWのノーベル平和賞受賞にもつながった。だが、国際人権団体によれば、13年8月から今年2月までにシリアで85件の化学兵器攻撃が確認され、アサド政権は50件以上に関与している。

     約束通り化学兵器を放棄していれば、こんな調査結果にはなるまい。5年前、アサド政権のいわば“保証人″になったロシアにも重大な責任があるのは明らかだ。

     シリアでは1980年代にイスラム勢力が蜂起し、政府軍の弾圧で数千人とも数万人ともされる犠牲者が出た(ハマの虐殺)。この国には自国民迫害のあしき前例がある。アサド大統領はこれ以上、新たな迫害を重ねるべきではない。

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