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湖国の人たち

石集めの魅力、伝える 「近江の平成雲根志」を出版 福井龍幸さん(66)=甲賀市 /滋賀

犬牙(けんが)状方解石の大きな結晶を持つ福井龍幸さん=滋賀県甲賀市で、北出昭撮影

人との関係にも関心

 どこにでもある石ころ。県内では小規模ながら、国内で産出する鉱物の多くの種類が見られるという。県内を中心に石にまつわる魅力と歴史背景をカラー写真で紹介する「近江の平成雲根志(うんこんし)-鉱山・鉱物・奇石」(サンライズ出版、1620円)を書いた福井龍幸さん(66)に石集めの楽しさなどを聞いた。【北出昭】

     ◆書名にある「雲根志」とはどういう意味ですか。

     雲根とは「石」の意味です。「雲根志」は18世紀に近江で生まれた博物学者、木内石亭による書籍の題名です。彼が自然石や化石、石器など「石」を求めて全国各地を訪ね歩き、古今東西の珍しい石を収集、見聞した知見、記録をまとめたものです。

    福井龍幸さんが出版した「近江の平成雲根志」

     ◆書かれた「近江の平成雲根志」はどのような本でしょうか。

     私は大学で地学を研究したわけでもなく、県職員時代も福祉関係が中心で石の仕事をしたわけではありません。石好きのアマチュアですが、いつか集めた石についてまとめたいと思っていたとき、琵琶湖博物館ブックレットの一冊として書かないかと声が掛かりました。先達の足元にも及びませんが、平成時代にも石を愛する者がいることを伝え、これからの人に石を探し、集めることの楽しさを知ってほしいと思い、筆を執りました。

     内容は、県民もあまり知らない県内の「鉱山」▽そこで取れる「鉱物」▽雲根志が紹介している不思議な形や模様の石などを取り上げた「雲根志的世界の石」の3章から成ります。鉱山に関する記録はあまり残っておらず、採掘が終わると働いていた人たちは山を去ります。古老らの証言を少しでも残せればという思いも込めました。

     ◆石を集めるようになったきっかけは。

     小学2、3年のころ、京都市右京区の双ケ岡で水晶を探し、おもしろいなあと思ったのが最初です。伏見区の深草では化石探しもして石や化石への興味が強くなりました。働き出してからも、休日に石の採集を続けてきました。これまでに集めた石は部屋の1室では収まらず、庭や専用倉庫にもいっぱいあります。

     ◆石集めの楽しさは。

     子供のころは宝探しをするような気持ちで穴を掘っていました。光り物と言いますか、美しい色の石などを見つけるのは楽しくて、今も美しい石を発見するとうれしいです。しかし、今は鉱山と人との関わりや石にまつわるいわれなど、石と人との関係にも関心が広がりました。昔の人には不思議なできごとや石の形、模様なども、現代の科学や考古学の知識を持って見ると謎が解けることがあります。昔の文献に描かれた鉱山の絵や古い地図などから廃鉱を探しだし、残っている鉱物の破片などを見つけるのも楽しいです。でも妻の理解はなかなか得られなくてね。宝石なら別でしょうが、興味の無い人には単なる石ですからねえ。

     穴を掘って水晶を探すような経験をした人は多いと思いますが、次のステップに行く人が少ないのが残念です。水晶のように輝く石でなければ、たいていは地味ですが、そんな石でも紫外線を当てると蛍光色を発するものがあります。また、顕微鏡でミクロの世界を見ると、美しい形や色の発見があります。石集めはいつでも誰でも始められる趣味です。


     ■人物略歴

    ふくい・たつゆき

     1952年、京都市生まれ。大学を卒業後、県庁入り。本で紹介した鉱物や岩石などコレクションの一部が、琵琶湖博物館(草津市下物町)のA展示室ギャラリー「地域の人々による展示コーナー」で今年9月末まで展示されている。

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