角のライン
佐藤は仕掛けをあきらめて、[先]5七銀と上がった。[後]3五歩を伸びすぎにさせる狙いに変えたのだ。
[後]4五歩の頑張りに対し、[先]4六歩[後]同歩[先]同銀が自然なさばきだった。[後]5一銀には[先]6八金と、遊び駒の活用を図る。
しかし、ここは[先]3五銀[後]4二飛[先]4七歩と歩得を主張して指すのも有力だった。また、本譜は[先]6六角が佐藤の予定だったので仕方のない意味があるが、[先]5七角と打って3筋を狙うのも魅力的だったという。
本譜は[先]6六角に対し、屋敷が[後]4二飛と大転回した。佐藤は[先]4七歩としっかり受ける。ねじり合いが続くが、[先]8五歩まで進むと少し屋敷が忙しい局面になった。
屋敷は戦線拡大の意味で[後]1五歩と突き捨てたが、単に[後]6四角と据えたほうが勝ったかもしれない。
本譜も屋敷が急所の角のラインを生かして迫っているので、佐藤は慎重に長考を入れた。48分で[先]5五歩と突いた。これで指せると見ていたようだ。
[後]5五角(本日終了図)まで順調に見えて、攻めさせられている意味もある。しかし、屋敷は攻め続けるしかないだろう。佐藤はタイミングのいいところで反撃を狙っている。激しい中盤戦に突入していった。(加藤昌彦)
[先]5七銀 37 [後]4五歩 24
[先]4六歩 31 [後]同歩 7
[先]同銀 [後]5一銀 2
[先]6八金 36 [後]3四銀 29
[先]6六角 4 [後]4二飛 16
[先]4七歩 25 [後]5四歩 18
[先]8五歩 1 [後]6四角 12
[先]7五角 2 [後]同角 4
[先]同歩 [後]5二金 2
[先]8四歩 10 ![後]1五歩 15
[先]同歩 1 [後]6四角 1
[先]5五歩 48 [後]4五歩 13
[先]5七銀 [後]3六歩
[先]同歩 12 [後]5五角 17
(◎好手 ×悪手 ?疑問 ▽作戦! 勝負手)