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Interview

宝満直也 踊りの力を信じて NBAバレエ団で振付家デビュー

 久保〓一率いる埼玉・NBAバレエ団の新作「海賊」(3月17・18日、東京文化会館)で、振付家として本格デビューを果たした。試験的な小品では評価を得ていたものの「無名の新人にいきなり全幕を任せてくださった。久保芸術監督の大きさに感謝しています」と、28歳の宝満(ほうまん)直也は語る。本作への参加を打診された昨年は、東京・新国立劇場バレエ団に所属していた。「願ってもない機会」と、即座に移籍を決意。結果、古典に新たなドラマを注入した久保版「海賊」は大評判を取る。「新曲が書き下ろされ、映像や剣術指南が入り、ダンサーも必死。まさに総力の結集でした。お客様に楽しんでいただけたことが、何よりの喜びです」

          ■  ■

     「振付助手」として宝満に白羽の矢が立ったのは、新国立時代の修業のたまものだ。前舞踊芸術監督のデビッド・ビントレーは「振り付けの経験が踊り手を成長させる」と、団員に自作発表の機会を与え続けた。宝満は入団の翌2011年から、オーディションを通過。毎回趣向を変え、抜群のセンスと音楽性を示してきた。死のイメージが漂うショスタコービチの追悼曲をコミカルに仕立てた「3匹の子ぶた」(16年)などは忘れがたい。「聴いた瞬間、のしっ、のしっと美しい脚を運ぶオオカミの姿が浮かんだ」と言う。

     「海賊」もまた音楽に助けられながら、登場人物の個性と物語の展開を動きに融合させていった。「主役を巡る女性2人の対比を際立たせたい、という監督の意図が最優先。さらに舞台の端まで、出ている人数分の人生が渦巻くように、留意したつもりです」

     敵役として舞台にも立った。さっそうと場を支配する色悪。「自分の踊りに集中できたのは本番のみ」という極限状態だったが、「振りを付けて全体を把握したことが役作りにもなった」と振り返る。

          ■  ■

     踊りと振り付けは「僕にとっては地続き」で、抽象作品と物語バレエも区別はしていないという。「舞台にはつまるところ、作り手や踊り手の感性が表れる。空間をそして世界を、どう捉えているのか--。自分の感性が普通とは違うようだと気付いた高校時代に、体でそれを表現したいと思いました。踊りには人の心を動かす力がある。その力を信じて進みたい」。振付家を生む土壌の貧しい日本から、遠く海外も見据えている。

     6月15~17日、内外の小品や名場面を集めたNBA公演「ショート・ストーリーズ9」(彩の国さいたま芸術劇場)で、新作を発表する。問い合わせは04・2937・4931。【斉藤希史子】

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