メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

炎のなかへ

/133 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月九日(37)

 江東楽天地にあるすべての映画館が夕日に燃える曇り空の照り返しを浴びて、穏やかに色づいていた。タケシと登美子はおたがいの顔を指さして声にならない声をあげた。

「うわー、タケシくん、これ」

 映画の渓谷の両側を形づくるたくさんの映画館と飲食店が夕日色に染めあげられている。透明なガラス窓は飴(あめ)細工のように澄んで、つややかな光を表面に伸ばしている。もっとも飲食店の多くは食材不足で店を閉めていた。数すくない暖簾(のれん)を出している店は、客が自分で食材をもちこんで料理してもらう営業手法をとっている。

この記事は有料記事です。

残り679文字(全文936文字)

24時間100円から読める新プラン!詳しくは こちら

いますぐ購読する

または

毎日IDでログイン

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ロシアW杯 決勝に水を差す愚行 男女4人が乱入
  2. 西日本豪雨 し尿処理できず「水や食事我慢」 愛媛・大洲
  3. 将棋 藤井七段、今泉四段に敗れる NHK杯1回戦
  4. ロシアW杯 サッカー MVPゴールデンボール賞 モドリッチ最有力か
  5. ロシアW杯 フランスが5大会ぶり2回目の優勝

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]