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社説

王毅中国外相の来日 後戻りしない関係構築を

 中国の王毅(おうき)国務委員(副首相級)兼外相が来日した。今年1月の河野太郎外相訪中と合わせ、外相相互訪問が9年ぶりに復活した。閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」も8年ぶりに再開された。

     2012年の尖閣諸島国有化に中国が猛反発して冷え込んだ両国関係がようやく関係改善の軌道に乗ったといえる。来月には李克強(りこくきょう)首相の来日も予定される。着実な信頼関係の構築につなげたい。

     日中両国は多国間の会議に合わせた2国間協議は続けてきたが、新たな協力を打ち出せるような環境にはなかった。しかし、国際社会は激動を続け、米国主導の国際秩序も大きく揺れ動いている。

     トランプ米大統領は対中貿易赤字に業を煮やして制裁を発表し、米中は貿易戦争前夜の様相だ。一方で南北、米朝の首脳会談開催が決まり、北朝鮮問題が動く気配もある。

     中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席は昨年の共産党大会と3月の全国人民代表大会で長期政権への陣を敷いた。経済発展を続け、米国と渡り合うためにも日本など周辺国との安定した関係が必要と考え始めたようだ。

     習主席は対米摩擦緩和を狙い、外資の参入規制緩和や、知的財産権の保護、輸入関税の引き下げなどの措置を打ち出した。言葉通りなら日本企業にもチャンスだ。

     王外相は訪日を「両国関係改善と発展の重要な契機」と位置づけ、技術革新や金融などの分野での協力を訴えた。産業構造の高度化を目指す上では日本との協力が重要になる。

     会談では中国の広域経済圏構想「一帯一路」と、日米などが提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」をめぐる意見交換も行われた。対立より相乗効果を目指すことが国際社会の利益にもつながる。

     中国が現行秩序に力で対抗することを避け、平和な周辺環境を求めるなら、日中の共栄は可能だ。中国が南シナ海や東シナ海で自制的な行動を取るかがその判断材料だ。李首相来日時には懸案の海空連絡メカニズム設置に合意する見通しだ。これは信頼関係構築の一歩になりうる。

     さらに安倍晋三首相の訪中、習主席の来日を実現して双方の利益になる協力を増やし、悪化した国民感情の改善にもつなげたい。

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