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キューバ

ラウル議長退任へ カストロ兄弟時代に幕

キューバのラウル・カストロ国家評議会議長=メキシコ東部プラヤデルカルメンで2010年2月22日、庭田学撮影
カストロ兄弟とキューバの動き
キューバの統治体制

 【サンパウロ山本太一】キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(86)が18日にも、国家元首の議長職を退任する。人民権力全国会議(国会)が選出する新議長は、ミゲル・ディアスカネル第1副議長(57)が有力だ。1959年のキューバ革命から約60年にわたったカストロ兄弟による支配から「革命後世代」中心の新政権に移行する。ただ、ラウル氏は2021年まで共産党トップの第1書記として新議長を後見するのは確実で、政策面での大きな転換はない見通しだ。

「革命後世代」に交代

 3月の選挙で選ばれた新議員(605議席)による国会が18日に開会、議員の中から国家評議会の議長を含む新メンバーを選出する。

 キューバ革命の最高指導者、フィデル・カストロ氏(16年死去)は06年7月、病気治療のため議長権限を弟のラウル氏に暫定委譲した。ラウル氏は08年2月、正式に議長に就任した。

 国会は13年2月、共産党の地方組織幹部や高等教育相を務めたディアスカネル氏を政権ナンバー2の第1副議長に選出した。同時に、議長に再任されたラウル氏は任期5年で引退すると表明。ディアスカネル氏の抜てきはラウル氏による事実上の後継指名と受け止められた。

 ただ、新議長候補にはブルノ・ロドリゲス外相(60)らも取りざたされ、流動的な部分も残っている。

 ラウル氏は1953年、フィデル氏が率いた独裁政権打倒の武装蜂起に参加。56年からのゲリラ戦では反乱軍司令官の一人を務めた。革命を達成した59年から議長に就任する2008年まで国防相をほぼ半世紀務め、軍への強い影響力を持つ。11年4月に共産党第1書記に就任した。

 カストロ兄弟とともに革命を実現したホセ・ラモン・マチャド・ベントゥラ(87)、ラミロ・バルデス(85)両副議長も引退するため、集団指導機関である国家評議会に「革命世代」が残らない可能性も指摘される。

 国会の開会は当初予定の19日から前倒しされた。国会は19日も続く見通しだ。

対米改善、多難

 【サンパウロ山本太一】キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は2008年の就任後、経済立て直しのため、制限されてきた自営業の拡大など市場主義経済を部分導入。15年には、オバマ政権下の米国と54年ぶりとなる歴史的な国交回復を果たした。米国による経済封鎖解除が狙いだったが、トランプ政権誕生で解除は遠のいており、新議長は米国との交渉を含め難しいかじ取りを迫られる。

 オバマ政権は両国間の定期便運航を再開し、米国人の教育・人材目的の個人渡航を認めた。米国からキューバへの入国者は14年の約9万人から17年は約62万人に増加したのに伴い、キューバでは観光業に携わる市民が急増し、観光ブームに沸いた。

 ところが、トランプ氏はオバマ氏が進めた制裁の解除から強化へと方針を転換。17年11月から米国人に対し、指定した180のキューバ国営のホテルやレストランなどの利用、個人旅行を禁止し、同国の観光ブームに冷や水を浴びせた。市場経済導入や民主化を求める米国の経済封鎖が、キューバの経済成長の足かせになっている。

 一方、キューバの国内経済は市場主義経済を部分導入したことにより、08年に約14万人だった自営業者は昨年9月時点で約58万人に増えた。

 3月末の共産党中央委員会でラウル氏は国内経済について「数年前より状況は良くなっている」としながら「間違いや欠点はある」と述べた。自営業者急増に伴う脱税などを指摘したとみられる。だが、新政権下でも制度改善を進めつつ、経済自由化の流れは維持される見込みだ。

 食品など物資の慢性的な不足や国内での雇用不足を嘆くキューバの若者は多い。国民が求める生活向上をどう進めるか、新議長の主要課題となる。

 ディアスカネル氏は民主化を目指す反体制派を厳しく取り締まる姿勢を見せており、政治分野の自由化は進まないとみられる。

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