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社説

安倍・トランプ会談始まる 核とミサイル一体廃棄を

 安倍晋三首相とトランプ米大統領の会談が米フロリダ州で始まった。北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり、6月初旬までに行われる予定の米朝首脳会談に向けて日本の利害を伝える大事な会談だ。

     会談は2日間にわたる。やりとりの詳細はつまびらかではないが、初日の会談では、核と弾道ミサイルの両方について「完全かつ検証可能で不可逆的な方法での廃棄」を目指す方針を確認したという。

     この方法は従来、米国などが北朝鮮の核廃棄を実現するための原則として定義してきた。これをミサイルにも拡大して適用するというなら、日本の利益にもつながるだろう。

     核弾頭は、その運搬手段であるミサイルの飛距離によって脅威の度合いが異なる。日本を射程に入れるのは短・中距離弾道ミサイルだが、遠く離れた米本土には到達しない。米国への脅威となるのは大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。

     このため、日本国内には、米国が直接的な脅威の除去に固執し、ICBMの廃棄を優先するのではないかと警戒する声があった。

     首相が会談で「核・ミサイル廃棄に向け認識を共有したい」と述べたのは、核とミサイルの包括的廃棄を前提とするよう求めるためだった。

     ただし、懸念は残る。

     一つは、大量のミサイルを廃棄する技術的な問題だ。北朝鮮は日本に届くミサイルを1000基以上保有しているとされる。その解体には膨大な作業を必要とする。

     もう一つは、米国の本音だ。国務長官に就任予定のポンペオ米中央情報局(CIA)長官は先週の議会公聴会で米朝会談の目的は「北朝鮮指導部が米国を核兵器の危険にさらす試みを断念することだ」と語った。米国への脅威となるICBMに着目しているようにみえる。

     そのポンペオ氏が最近、北朝鮮を極秘訪問し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談したと米紙が報じた。米朝会談の事前調整とみられる。どんな議論があったか首相はトランプ氏から聞き出す必要があろう。

     トランプ氏は首相に日本の拉致問題を米朝会談で取り上げると約束したという。深刻な人道問題である拉致問題をトランプ氏がどう扱うかは、日米同盟の試金石になる。

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