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セクハラ疑惑

財務省、認識甘さ露呈 すべての対応裏目

 セクハラ発言疑惑で、事務方トップの福田淳一事務次官が辞任に追い込まれた財務省。世の中のセクハラに対する見方が厳しさを増すなか、世間とずれた甘い認識が発端となり不手際を重ねた結果、すべての対応が裏目に出た形となった。

     週刊新潮が疑惑を報じた12日、麻生太郎財務相は参院財政金融委員会で、福田氏から「誤解を受けぬよう気をつけたい」と申し出があったとして、「反省もあったので、これ以上聞くつもりはない」と答弁した。口頭で注意しただけで、それ以上の調査は必要ないとの認識を示したが、その後、この見通しが甘かったことが明らかになる。

     翌13日、週刊新潮はインターネット上で「胸触っていい?」などと発言する福田氏の声とみられる音声データを公開。報道当初から公開は予想されたが、政府・与党内で福田氏の更迭を求める声が高まったことを受け、財務省は急きょ週末返上で福田氏への聞き取り調査に追われた。

     福田氏は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と疑惑を全面否定。聴取したのは福田氏の部下に当たる矢野康治官房長で、音声データが公開されてもなお、事実関係を強く否定する福田氏の言い分を受け入れざるを得なかった。ある財務省幹部は「次官が少しでも疑惑を認めてくれればもっと丁寧な対応をできたのだが」と嘆くが、後の祭りだった。

     週明けの16日、財務省は聴取結果を公表するとともに、事実関係の確認のため、被害に遭ったとされる女性記者に財務省が顧問契約を結ぶ弁護士事務所の調査に協力するよう求める異例の要請を行った。麻生氏は「役所の調査では信用できないと言われる。女性弁護士も入れ不利益が生じないようにした」と説明したが、閣内の野田聖子総務相が即座に問題視するなど批判が殺到した。

     それでも財務省は強気の姿勢を貫いた。矢野氏は18日の衆院財務金融委員会で、週刊新潮で被害を告発した女性について「『こんなことされてとても不快だった』と(雑誌に)書いている。ならば、その方が弁護士に名乗り出て名前を伏せておっしゃるということはそんなに苦痛なことなのか」と答弁。「本件は、そもそも加害があったかどうかというところに疑義が生じている」と強い口調で反論。しかし、これについても「被害者の苦痛を理解していない」(女性記者への調査協力の撤回を求める弁護士らのグループ)と問題視する声が出ている。

     性犯罪被害に詳しい上谷さくら弁護士は「報道が出た時点で調査すべきだった。調査の協力要請についても、記者と取材先という関係もあり『どうせ名乗り出ないだろう』と高をくくった可能性もあり、組織としてセクハラへの認識の甘さが問われている」と指摘する。【大久保渉、岡大介】

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